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百人一首

Cimg6901 今月からNHKの土曜時代劇「咲くやこの花」が始まりました。(大河ドラマ龍馬伝とは違います)

いわゆるチャンバラ中心の時代劇ではなく、江戸の町娘が「大江戸かるた腕競べ」を勝ち進むという百人一首がテーマになっていることに興味を惹かれ、先日観てみました。

わたしの実家では、父も母も百人一首が好きで、お正月にはよく家族で百人一首をやりました。世代間を越えて、我が家で唯一一緒に楽しむことの出来た遊びだといってもよいと思います。

「咲くやこの花」の作者の藤本有紀さんの「ドラマの作者紹介」を読んでいて、こんな話に出会いました。

『子どもの頃、お正月にはよく家族で百人一首かるたをしました。

 家族それぞれになんとなく「好きな歌」があって、みんな、その札だけは取られまいとしていました。

 スポーツでもなんでもそうだと思いますが、親となにかを競い合っていると、あるとき突然に、自分のほうが強くなっていることに気がつく瞬間があります。

 わが家の百人一首でも、そのときが訪れました。

 ある年のお正月、父のお気に入りの歌が読まれたのに、父はその札をいつまでも見つけられずに探しているのです。

 私はとうの昔に見つけていましたが、身を乗り出して懸命に探している父を見ていると、先に手を出すことができませんでした。

 やがて父が札を見つけて取りました。父はとても満足げで、私はどうしようもなく泣けてきました。

 そのことを、どういういきさつだったか学校の国語の女の先生に話すと、先生は泣き出してしまいました。その感受性に、私はひどく驚きました。

 遠い昔の、ささやかなそれらのできごとを、今でも鮮明に憶えています。

 お正月の家族の団らん。勝つことの楽しさ、痛み。成長することのほろ苦さ。共感して泣いてくれる先生の存在。くり返し読み、聞き、憶えた百首の歌。そこから伝わってきた恋や人生。

 それらのできごとをこのドラマにこめようとしたわけではありません。

 今このドラマが作られるために、それらのできごとがあったのだと思っています。』

 思わず、亡き父と取った百人一首の思い出が蘇り、わたしも懐かしさに泣きそうになりました。「十八番(おはこ)」を取ったり取られたりして、歓んだり、悔しがったり、暖かな家族団らんの記憶が、そこには濃密に込められています。

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